君の父親は怖い人だった。
「いい加減にしなさい!!
中学生の恋なんかに付き合うほど
息子は暇じゃないんだ!
息子はじきに俺の会社を継ぐんだ。
君みたいな女の子とは一緒にいられないんだよ。」
君の父親があたしを悪く言った。
君は父親を殴っていた。
「今すぐ取り消して!!
凜のこと何も知らないくせに
言わないで!!」
父親はすっごく怒っていた。
「まだ殴り足りないのか!?」
そう言って君を何度も殴る。
君が倒れると蹴り始めた。
その時わかった。
あの日君が傷だらけで来たのは
父親に殴られたからなんだね。
『やめ………めて……ガガッガガッ
ねぇ、大丈夫?
ねぇ?』
あたしは君の手を引いて
中学校の屋上に行った。
『ねぇ?
毎日殴られてるの?』
「うん。」
『もぉ…もぉいいよ…。
ガガッガガッ…ならもういいよ。』
「凜…。殴られるよりも
…なにより、凜がいなくなっちゃうほうがよっぽど辛いよ。」
心がドキドキした。
あたしは君に抱き着いて泣いた。
君が傷つくのを見たくない。