ポジティブ・アクション25

ミッシェル  2009-08-08投稿
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三人はマンションの外へ出て、裏の駐車場へと来た。

そこには、スティーブの愛車であるイエロータクシーが駐車されている。

「マジで行くのかよ」

運転席の横に立つスティーブに向かってアレックスが言った。

「アレックス‥。お前を巻き込む訳にはいかない。しばらくはお別れだ」

アレックスは憂鬱になりながらも、しっかりとスティーブを見つめる。

「そうか‥。死ぬなよ」

「当たり前だ。それじゃ、またな。
近い内にまた会おうぜ」

するとメアリーがアレックスの元へと駆け寄り、彼の頬に優しくキスをした。

「わぁお。天国にいる気分だぜ」

アレックスは顔を赤らめた。

「あの時、助けてくれた時のお返しよ」

「そ、そうか。ありがとよメアリー」

――その時。

スティーブは、車道に止まる一台のローライダーからこちらを見つめるギャングの姿を捉えた。

「早速かよ。メアリー、行くぞ」

「えぇ」

2人はすぐに車に乗り込み、エンジンをかけた。

「じゃあな! ケニーさんによろしく言っといてくれ」

「おう! 幸運を祈るぜ兄弟!」

アレックスは親友との別れを惜しみながらも、彼は大きく手を振った。



「奴らだ! 追うぞ!」

ギャングは車を発進させ、車道へと飛び出したスティーブ達を後ろから追跡した。

「来たぜ」

バックミラーで後ろを確認してみると、今の所追って来ているのは一台だけのようだ。

だがいずれ、奴らは仲間を呼び寄せ、直ぐに沢山集まって来るであろう。

スティーブは勿論、そうなる事は十分分かっていた。

「メアリー! 頭下げてろ!」

次の瞬間、窓ガラスが音を立てて粉砕し、車内へと破片が飛散する。

「キャッ!!」

メアリーは両手で頭を抱え、顔を伏せた。


スティーブとギャングの激しいカーチェイスが繰り広げられ、街は大惨事となった。

走行していた車が慌ててハンドルを切り、次々と車がクラッシュしていく中、両者は勢いを緩める事なく、激しくぶつかり合う。

「ちぃ、そろそろ終わりにしてやるか」

そう言って、スティーブはローライダーに横付けし、拳銃を窓から構えた。

そして狙いを定め、ローライダーのタイヤを撃ち抜く。

「野郎!!」

続く

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