丈「伊井さん。今日の夜って予定ある?もし予定がなくて空いてるなら一緒に食事でもどう?」
香「えっ?!わ、わ、私と食事?…みんなと?」
丈「ううん。俺と伊井さんの二人きりで。嫌?ダメかな?」
香「い、い、いえ、いえ、嫌じゃないです。わ、わ、私でよ、良ければ。」
伊井 香 は心臓が爆発してしまいそうなくらいドクドクと早くなって頭の中が真っ白になっていた。
丈「本当!良かった。断られたら、どうしようかと思ったよ。それじゃ会社が終わってから5時半に会社の1階で待ち合わせしよう。」
香「は、は、はい。わ、わ、わ、分かりました。」
丈「じゃあ今日の新作RPGの完成発表会は頑張るよ。」
香「ゲーム?うちの製薬会社で?」
丈「ん?製薬?伊井さん…大丈夫?うちの会社はゲームソフトの会社でしょ。まだ寝ぼけてるの?」
安野丈は笑いながらエレベーターを降りて広報課と書かれた部屋に入って行った。
伊井 香 は周りをキョロキョロと見渡した。前と変わらない見覚えのある配置だった。
違うのは周りの壁に全く見たことの無いゲームソフトのポスターが貼られている事だった。
伊井 香 は、まるで浦島太郎になった様な気分だった。
でも仕事を始めたら全く分からない仕事なのに…体が勝手にテキパキと仕事を熟していった。
伊井 香 は、そんな仕事の傍ら安野 丈 に二人きりで食事に誘われた事を考えると最高に嬉しかった!
しかし平和は長くは続かなかった…災難は突然やって来る。
誰かが廊下で騒いでいる。
その男は、よりによって広報課の部屋に入って来た。
男「チキショー!この俺をバカにしやがって!爆発させてやる!この会社を爆発させてやる!この会社の人間は全て殺してやる!よくも、この俺を不採用にしやがって!全て壊してやる!」
つづく