ハハハ!
流石は忍猫一族!
端くれとはいえども
潔し!
怪盗ねこひげは小気味よさそうに猫丸に応えます。
子猫は初めて聞く言葉に動揺が隠せませんでした。
にょぅわっじゃなくて、ええ!
にんにゃー?!
それはいったい何にょぉ..じゃなくてなんだ?!
[忍][猫]と書いて「にんにゃ」と読む。
猫丸の故郷にある戦闘集団のことらしい...
猫八が神妙な態度で、対峙する猫丸と怪盗ねこひげから目を離さずに子猫に教えてあげました。
ちなみに、忍猫は語尾を伸ばせば なお良いでしょう。
せ、戦闘集団...?
子猫は改めて猫丸を仰ぎ見ます。
猫丸は怪盗ねこひげを迎え撃つ構えで静かに佇み動じる様子はありません。
フッ、恥さらしな出生の やからと思うておったが、なかなか良い構えではないか、ええ?猫丸よ
端で為す術もなく傍観に甘んじるだけの子猫が寒気を覚えるほど鋭い猫丸の視線を正面から受け止めて言い放つ ねこひげもまた ただ者ではないと猫丸と猫八は悟りました。
俺のことを知ってるってことは、あんたも どこぞの郷の者か?
我輩の生まれを勘繰るでない。この無礼者め!
だが気になるならば教えてやろう。
我輩は貴様と違って黒いからな!
と、怪盗ねこひげは鼻先で笑い、優越感もあらわに猫丸を見下しました。
優性遺伝の血族でありながらサバトラ柄で生まれた一族の恥さらしの話も聞いているぞ!
猫丸は自分が仲間たちから疎外され迫害されることになった原因を見ず知らずの赤の他猫に把握されていることに怒り、たちまち猫丸の周囲の気配は殺気に満ちたものに彩られました。
が、しかし息も苦しくなるような張り詰めた空気を ものともせずに言葉を挟む者がありました。
そんにゃ言い方は酷いにゃあ!
なんでそんにゃこと言うんにゃ!
猫丸さんは優しくて強い猫にゃ!おまえにゃんかが傷つけて良い猫じゃにゃいっ..んだぞ!
悲鳴のような言葉でした。