リレー小説【楽園】
第三部【最終話】
小石のスベテのムク言葉には悩みません。
ムクは心の中で願いました。
それは道化師がムクに辿り着くよりも早く。
『この世界に平和と安らぎがきますように。』
すると、どうでしょう道化師は意識を失い倒れ込みました。
数秒の時が流れたのでしょうか。
気を失っていた道化師が目を醒ますと姿が変わっているではありませんか。
それはそれは綺麗な瞳の少女です。
ムクは声を出して尋ねました。
「名前…は…何?」
道化師だった少女は、ぼーっとしたまま答えました。
「…ジュン。
純粋のジュン。」
ムクはジュンに手を差し延べました。
そして、長い髪の男を2人で見つめました。
長い髪の男の異様なオーラは消えていていました。
いえ、長い髪の男の姿すら消え始めています。
スベテは言いました。
「ムクの願いは正しかったのよ。
男は悪。
平和な世界にはいられない。
だから、消えてしまうの。
悲しいことだけど良いことよ。
そして
ムク、ジュン、良く聞いて。」
小石のスベテの声は真剣です。
「ムクな心を持つ少年。
純粋な心を持つ少女。
2人はこの言魂の丘で出会ったのは必然。」
ムクとジュンは顔を見合わせます。
スベテは話し続けました。
「時計はもうこの世界には必要ないものよ。
時計をどうするかは自由よ。
そして、これからどうするかも自由よ。」
ムクは声に出して答えました。
「時計は大切。
でも、あると危険。
だから、ここに言魂の丘に埋める。」
そう言って、時計を1本の桜の木の下へ埋めました。
ジュンも手伝います。
そして、ムクはジュンとスベテに言いました。
「3人でおばあさんのところ帰ろう。」
その言葉にスベテとジュンは賛成しました。
それと同時に竜巻が起こり、あっと言う間におばあさんの元へ。
おばあさんは何も言わずムクとジュンとスベテを家に入れ、あたたかいご飯を作ってくれました。
【終わり】