転校生 5
隆は、得意になって、話を続けた。
「それって、親しみの現れらしいぞ!」
「へえ?タカシ、ずいぶん詳しいのね!」
隆は、スージーに初めて『タカシ』と呼ばれて、“ドキッ”とした。
「ねえ、スージーは、日本語は上手だけど、英語ももちろん“ペラペラ”なんでしょう?」
今度は、ひとみが聞いた。
「6才迄しか、アメリカに居なかったから、難しい英語は、解らない。日本に来た頃は、家の中では、英語ばかりだったけど、そのうち、パパとママが、私に気を使って、家でも日本語が中心になったの!」
「へえ、そうなの?」
「パパとママは、結婚前に、日本で生活したことが有って、日本語が上手なの!」
翌日、隆とひとみは、クラスメイト一人一人に、スージーを紹介して歩いた。
「隆!いつの間に、あの子と親しくなったんだよ?」
隆の親友“島田勇二”が、小声で聞いた。