今日ね、雨が降ってたでしょ？風もあったから寒かったよね。こんな時に限って彼は「今日友達の子供の祝だから、迎え行けなくてごめんね」とか言って。だから１８時からのバイトにはカッパ着て帽子かぶって首にタオル巻いていったのね、自転車だから…。だってバスが９時で終わっちゃうから間に合わないんだもん。寒かったのよ〜。それから仕事して、ますます雨は強くなった。帰る時にはもう土砂降りで、やだなぁとか思ってたら、メールが入ってたの。「そこの公園にいるから」って。思いがけない事で嬉しかったから、カッパもタオルも帽子も自転車に投げつけて仕事場を出たの。そして彼の車に乗り込んだ。いつもなら３時間くらい喋って笑って肌を重ねたりして過ごすから、今日もそのくらい遊んでもらえると思ってた。だけど、「タバコ吸ったら帰る？」と私の手を見て言う。彼も明日仕事だ。だから私は「もう眠いから帰りたいんだ。」という言葉に聞こえてしまって、「うん。」と素直にうなずく他なかった。ほんとは帰りたくないけど、ほんとはもっと喋りたいけど、ほんとはもっと近くにいきたいけど…。迷惑にはなりたくない。潔く家の近くで車を降りる。「わざわざありがとうね。」お互い笑い合って帰る。雨はもう上がっていた…。家に帰ってお礼のメールを打つ。すると、「祝、途中で抜けてきたから帰りにくい」と返ってきた。あれ？終わってたんじゃないの？何で帰りにくいのよ？と聞く。すると「遅くなるって言って出たから」と。…つまりそういうこと。二人とも「その」つもりだったのに言葉が足りなかった。私はもう家からはでられない。本当はもっと一緒にいられたのに、もっとたくさん話せたのに、少し言葉が足りなかった、それだけのこと。私には「もう少し居たい」貴方には「まだ帰らない」って言葉だけだったのにね。
あなたにはわかるかな？もっと素直になれば良かったっていう悔しさが
あなたにはわかるかな？もっと甘えれば良かったという寂しさが
あなたにはわかるかな？ずっと一緒にいたいというこの飾り気のない気持ちが。
わかるといいな。そうすれば、さみしい思いをする人が、少しずつ減っていくような、そんな気がするからね。
おわり
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