私は幼い時から 両親にこう言われて育った
「人のためになりなさい」
「困ってる人がいたら 手を貸してあげなさい」
そんな優しかった両親も こんな私をおいて さっさとあの世に行ってしまった
親孝行の出来なかった私は心に誓う
「両親の言葉 必ず守りますね」
そして今日も来た
真っ暗な中 そこだけにともされた灯りに吸い寄せられる昆虫のように・・・
彼らは必ず 一度立ち止まる
きっと今 一番辛い時だろう!恐怖と戦ってる時だろう!
そんな辛い時間から早く救ってあげなくちゃ!!!
今日も私は走る
彼らの元へ走る
そして・・・
思いっきり背中を押してあげる
皆 声をあげる余裕さえなく暗闇の中へ吸い込まれていく
「良かったね これで全ての苦しみから救われたね」
私は「命の電話」と書かれた看板を横目に
一日一善を終えた心地よい疲れを感じながら 帰路につく