ずっと三人でいられると思ってた。
なのにこの夏で僕らは変わってしまったんだ。
−ずっと−
「類ー!!杏里ちゃん来たわよー!!」
「あー待って今行くー!!」
あたしは、家の階段を転がるように駆け降りた。
玄関には、あたしの親友の杏里が壁に寄り掛かるようにして待っていた。
彼女は、長い茶色い髪を緩く巻いた髪を肩に流していた。
白い肌には、ほんのりとメイクがのせられていて、長い睫毛が特徴的だ。
「おそよう♪今日も遅いね♪」
彼女は、嫌みっぽく言い、微笑んだ。
あたしは、髪の毛をいつもどうり結んで家を出た。
あたしが通っている学校までは、家から約10分ほどでつく。
その間、杏里と笑いながら話すのが、あたし早瀬 類の日課だ。
校門をくぐり、しばらくした時。
ふと、頭に激痛が走った。
「痛ぁー…!」
なに?あたし恨まれるようなことしましたか?
と、思いながら振り返る。
目に写ったのは、憎たらしい顔で意地悪く笑う、アイツ。
「おっす♪」
彼、桜 光輝は、満足そうに言った。
そんな彼に沸々と怒りが込み上げてきた。
あたしは言い放った。
「なにすんの?!……桜チャン♪」すると、さっきまで笑っていた光輝は眉間にしわを寄せ、あたしを睨みつけた。
そして、平手であたしのおでこをベシっと叩いた。
「うっせんだよ!チービ!」
先に校舎へ向かった。
「光輝がデカいんだよ!バーカ!」
その背中に叫んだ。
そんなあたし達を眺めていた杏里が口を開いた。
「桜君今日もかっこいいねぇ♪あんなかっこい幼なじみがいて羨ましいよ♪」