その笑顔には一変の曇りがなくて、それはまるで・・・空想のものをまだ信じているような、そんな顔だった。
いや、曇りがないというより【当然】の事をただ当たり前に話しているだけで、なんでもなく―ただ平然とただただ純粋に【事実】を述べていた。
「本当・・・なんだ。」
『本当だよ♪』
本来は信じるべきではない、自身が―\r
―機械の体だなんて、17年間の記憶に嘘があるだなんて、信じるべきではない。だが、信じるしかない。信じるしか道がない。
『君の今はガイだけど〜、どうだった?【人間】としての暮らしは♪』
「う・・・。」
―しらねぇよ。
『あ!そうか、記憶はないのか・・・。ゴメンなさい。』
しばらくの沈黙。どうやら反省ができる偉い子のようだ。
「・・・あの〜ナ、ナナコちゃん。」
『はい、なんでしょう?』
「えっと〜、保留していいかな?、とりあえずここの状況と【WINGMAN】だって事は信じるよ。」
『はい。』
「・・・でも、まだ機械の体については頷けない。確信や断言はできないけど、まだそこは・・・。」
『じゃあ、保留にしておきますね♪』
「そうしておいてくれ。」
『はい♪てゆうか今はガイと話すのが楽しいですから♪』
彼女の顔に笑顔を宿る。案外悪くないかもしれない、こんな美少女と一緒にいれるなら。
『そ〜だ♪そろそろ外見ますか?炎も静まっただろうし♪』
「そういえば・・・。」
『そうですよ♪いい加減にしてくれないと困っちゃいます〜♪』
「・・・いや、それはコレ(WINGMAN)がやったんだろ。」
俺はそういい床を指さす。
『え〜?』
少し驚くナナコちゃんだったが、それより先に部屋のなかスクリーンが浮かび上がる。
『ん?この子はなにもしてないよ〜?だって〜この子は良い子だもん♪』
だってねぇ〜と、話を続けるようとする彼女なのだが、俺はそれより何よりスクリーンに【黒いもの】が映った。
―今日は厄日だ。