転校生 7
「ユウジ?そんなに緊張しないで下さい」
「そうだよ勇二。隆だって昨日の帰りに、初めてスージーと話をして、真っ赤だったんだから!」
ひとみが助け船を出すと、頭をかきながら、隆が言った。
「ごめん勇二。俺も同じだ!」
隆は素直に謝った。
「スージー。こんな2人だけど、隆と勇二を、改めて宜しくネ!」
ひとみが言うと、周りからドッと笑いが起きた。
隆と勇二は、クラスのリーダー格。
とは言っても、イジメもしなければ、威張る事もしない、仲の良いクラスである。
ただ、何をするにも、彼ら2人が中心で、反対意見が出たりすると、不機嫌になったりもする、少々、我がままなリーダーである。
その辺を心得ているひとみは、スージーがクラスに溶け込むには、まず彼らと仲良くさせる事と、分かっていた。
そして、彼ら2人に、正々堂々と意見が出来るのは、自分だけとの、自覚もひとみは持っていた。