『ちゃんと掴まっとけよ。』
『う‥うんっっ。』
ぎこちなく、聖人の腰に手を伸ばすと、
あなたは無言で、あたしの手を取り、
自分の腰に回してくれたね。
風が
とても冷たくて、気持ち良かった――
聖人の背中、
広くて、大きかった――
男の子って‥‥―――\r
* * * * * *
『奈央着いたゼ。』
聖人にヘルメットを外された。
あたしは思わず息を呑んだ。
着いた場所は、FM小樽だった――
『聖人?!』
『ハハハ。何ビビってんのよ、奈央?!』
『だって‥‥。行き先聞いてなかったし/////』
『‥‥ほら。入るゼ。』
『‥‥‥。』
緊張して、足がすくんだ。
さっきまで、教室で聞いていたFM放送は、
ここから発信されていたんだ。
FM放送を聞いただけじゃ、分からなかった謎が、
今、解き明かされるというの?!