時と空の唄14-12

花神ミライ  2009-08-13投稿
閲覧数[250] 良い投票[0] 悪い投票[0]


帰りの船旅も酷かった。
それこそ生きた心地がしないというほどに。


二度目の死を体験しました…(シーラ談)


メイルは
「だいぶお疲れみたいだからな。
出来るだけ揺れないようにするぞ。」
と言ったが正直帰りの方が酷かったように思う。
右へ左への蛇行に加えて荒波のせいか船は上へ下へと跳ねた。

「なんだお前らそんなに疲れてるのか?」
なんとか『メイルの』港に着いた四人がヘバっているとメイルがそう声を掛けてきた。
誰のせいだ…と心の中で毒づくが最早それを音にする気にもならない。

「みなさんは、これから、どうするんですか?」
雪だ。
「俺はキジルに戻る。情報屋を放っておけないからな。
ランス、お前はどうするんだ?教会に戻るか?」
「うーん…。そうなるだろうな。
雪は?」
ランスォールが雪に聞き返すと雪は隣に横たわるイツキを見て答えた。
「私は…イツキとトーレに帰ります。
御神をもう一度作り直すんです。時間は、かかるかもしれませんけど。」
「そりゃいいな。」
「シーラさん…は?」
「そうだなぁ…
旅をしようかな。
何の当てもない、ただ世界を回る旅。」
「一人でか?」
「ええ。
気の向くまま、道のあるままに。」
そう言ったシーラはとても優しい顔をしていた。




投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 花神ミライ 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]
小倉優子プロデユース
画期的なパウダー♪


▲ページトップ