誰かが私を呼んでいる・・
私の声で誰かが呼んでいる・・
鏡に映っている私が私を呼んでいる・・
うっすらと笑みを浮かべて私に手招きしながらこう言う
“ほら・・こっちにおいでよ・・”
何故こんなふうになったのか、私はただトイレに来ただけなのに・・、普段と違う下の階のトイレに来ただけだ・・
“どうしたの・・?何をそんな怖い顔してるの?私はあなた自身じゃない・・”
執拗に干渉してくる、悪い夢でも見てるんじゃないのか、だから鏡に自分の幻影が映ってるのか
私はおもむろに鏡の前に立ち・・
「・・嫌だ、私はそんなのに興味はないね」
鏡の中に入って何をするのかというのか分からなかった
“フフフッ・・どうして?こっちに来ればあなたの知らない裏の世界も見れるのに・・”
「興味ない!!早く消えて!!」
もしドアの前に人が歩いていたならば、確実に不審に思うだろう・・、構わずに私は声をあらげた
“そっか・・、じゃあ今回は引くけど、今度会った時は・・楽しみにしててね・・”
ニコッと幻影は笑うと鏡の前から姿を消した
すると鏡はいつもと同じように自分の動きを真似て映っていた
「冗談じゃないよ・・」
そう言いながら私はトイレのドアを開けて教室に戻って行った・・
あの幻影は私の裏の性格なのかもしれない、それが鏡に映し出されたのだろう、そう思う事にした・・