修二にとって次の試合のように翔星つまり市瀬がいる学校にあたることなんて、去年では考えもしなかった。
リベンジしたい気持ちはあった。
しかし、去年のあのこと以来、修二にとってリベンジの重要さは薄れていた。
それが今、現実に目の前にある。
それは修二にはよくわかっていた。
去年では届くはずのない舞台。
今は目の前にあった。
修二が座っていると悠が来た。
「次、翔星だな。」
悠が言った。
「あぁ。」
「やっとここまで来れた。修二、リベンジ果たせよ。市瀬は大将だった。」
悠が笑った。
「悠、お前市瀬のこと覚えてるのか?」
「俺が覚えてるかどうかとか関係ないじゃん。修二、修二なら勝てるよ。俺が保証する。」
そう言った悠の目は真剣だった。
「なんの自信だよ。」
修二が笑った。
「テキトーに言ってるわけじゃないよ!俺はだから本山高校にきたんだから。」
修二が俺のリベンジ見るために本山に来た?
なんだよそれ。
お前推薦とか蹴って本山に来たんだろ?
その理由が俺のわけないだろ。
「お前、ミィが本山に入るから来たんじゃねえのかよ。」