繁華街の路地裏。
そこでは、緊迫した空気が流れる中1人の男と、4人の男達が互いに睨み合いながら対峙していた。
「何の用だ? こんな所に呼び出して」
沈黙が続く中、目の前に立ち並ぶ男達に向かって言ったのはあの長髪のオールバックの男であった。
「ボスの命令だ。お前らには消えて貰う。といっても、今はお前1人だがな」
そう言ってガムを吐き捨てたのは、顔を真っ赤に染めたウォーレン。
…彼の顔は赤く腫れ上がっていた。
「何故消えなきゃならないんだ?」
男は鼻で笑うと、手にしていた煙草を口にくわえる。
「ボスが貴様等を憎んでいるからだ」
男は紫煙をくゆらせながら、
「ほぉ、なるほど。だが、俺には関係の無い事だ。さっさと俺の前から消えろ」
そう言って、彼は鋭い目つきでウォーレン達を睨んだ。
「てめぇ…お前ら! 殺れ!」
ウォーレンが手を上げたと同時に、彼の背後にいた三人の幹部達が一斉に男に向かって走り出した。
「面倒な連中だ…」
彼はそう呟き、くわえていた煙草を吐き捨てる。
「くたばれ!」
幹部はそう言って男の顔面に拳を放つが、それよりも先に男の拳が彼の顎に直撃していた。
「ぐはっ…!!」
彼は舌を噛んだのか、口から血を流しながら失神する…。
「野郎!」
続けざまに残りの二人も殴りかかるが、1人は片目を潰され、もう1人は腕を折られてその場にのた打ちまわる…。
…それはまさに一瞬の出来事だった。
「は、はぁ…貴様…」
ウォーレンは唖然としながら、男を見つめる。
「さて、どうする?」
男はそう言いながら、ゆっくりとウォーレンの元へと歩み寄る。
すると、ウォーレンは険しい顔で、
「死ね!」
彼は懐に手を伸ばし、拳銃を取り出した。
しかし、次の瞬間には男の蹴りがウォーレンの拳銃をたたき落としていた。
「何だと!?」
男は勢いを緩める事なく、間髪を入れずに拳をウォーレンに向けて放つ。
「なめるなよ…!」
彼はそう言って飛んできた男の拳を左手で掴むと、余った右手で男の首を捕らえた。
そして、そのまま男を壁に押し付けた。
続く