『ワイン入れても大丈夫なの?』私は訊ねた。
『たぶん…大丈夫。三年後だし』俊介は自信がない顔で言った。
私はワインのことは全然わからない。ボジョレー・ヌーボーしかわからない。だけど色が赤いのでたぶん赤ワインだと予想はつく。
ワインはタイムカプセルにギリギリ入った。三年後、タイムカプセルを開けた時に中身が飛び散っていたら困るような気がした。
『よし!他には入れるものないよな?』俊介が訊ねてきた。
タイムカプセルの中には、ワインやさっき入れた袋の他によくわからないのが数個入っていた。
『ないと思う』と私が言うと、俊介はタイムカプセルを閉じてスパナでボルトをきつく締めた。
『やっと完成した〜』と俊介は言うと、タイムカプセルを地面に埋めた。
あれから二週間が過ぎた。私は俊介と買い物をしていた。
『次あそこの店行かない?』私は俊介に同意を求めると同時に、足はすでにその店の方向に進んでいた。
『歩くの早いな〜。大阪人みたいだ』俊介は言った。
私はショッピングとなると、興奮してせっかちになる悪い癖がある。