ときめき 2
「ぇえ〜!毎年キャンプ?羨ましいなあ!それじゃあ、泳ぎを教えてネ!」
「おー、任せとけ!」
「隆!私もお願いだよ!」
ひとみが口を挟んで来た。
「分かってるって!勇二も、スイスイだから、俺たちに任せとけって!な、勇二!」
勇二は、おやつを口に入れたところだったので、返事が出来ずに、苦しそうにコクリとうなずいた。
「おい、大丈夫か勇二!」
隆は、そう言いながら勇二の背中を叩いてやった。
「あぁ、ビックリした!死ぬかと思ったよ!」
「余りいっぺんに、口に入れるからよ!本当にもう、勇二は卑しいんだから!」
ひとみに、そう言われて勇二が“悪りい、悪りい”と頭をかくと、ドッと笑いがおきた。
出発して2時間程走ると、左手に、真っ青な海が見えて来た。
「あっ、海だ!ヤッター!」
バスの中では、歓声が上がった。