【愛はどうすれば良いのか…】
キキーッ
いつものタクシーが止まる音も…今日はなんだか大きく聞こえるゎ…。
カチャ
『原稿上がりました?』
『あーすんません…どうしてもここが詰まっちゃって…。』
【愛はどうすれば良いのか…。別れたのにこんなにも雄二の事が…。】
『好き…か…。』
『どうしましょう?』
翠は我に返ったようにはっとした。
『あ…そうね………。』
『佐山…さん?』
翠の目からは不意に涙がこぼれた…。
『どう…したんすか…?』
『私…この小説と一緒なの…。』
翠はこらえきれず…手で顔を覆う…。
『同じって…佐山さん…泣かないでください…何があったんですか?』
『私…不倫してたゎ…。』
その発言に…達也は耳を疑った…。
『あぁそうなのよ…私は愛…そして雄二は社長で真理は奥さんよ…。』
『編集長と…?』
達也は次々と流れてくる翠の涙を見て…そしてこの小説と一緒だと言う話を聞き…何があったのか直感した…。
佐山さん…あなたは俺よりもはるかにつらい恋をして来たのですね…。
続