関口
「やぁ……久しぶりだね。桐原君、美奈さん」
美奈
「関口……先輩?」
関口は不敵に笑いながら僕たちを見ていた。
達也
「関口…やっぱり君だったのか。あの6人を殺したのは……」
関口
「ああ…そうだよ。邪魔だったからね……あの6人は」
達也
「何故、美奈まで襲ったんだ!」
僕がそう言うと彼の顔から笑みが消えていくのがわかった。
関口
「美奈さんも僕を邪魔者扱いしたからだ……!だから……一番最後に殺してあげようと思ったんだよ。美奈さんはね」
達也
「それだけのことで……」
関口
「それだけ……?僕にとってはそれだけじゃないんだよ!!
わかるのか……邪魔者扱いされて、いじめられて、僕は何も悪いことはしていないのに……
だから復讐してやったのさ……あの6人を…そして美奈さんもね」
どうやら彼の復讐心は相当なもののようだ。
だが……だからと言って美奈を殺させる訳にはいかない……!
僕は美奈の手を持って走り出した。
路地を曲がると建設中の工事現場に入った。
美奈
「にぃに……関口先輩…どうしちゃったの?
なんで私、殺されるの?ねぇ…にぃに!」
美奈は身体を震わしながら僕に尋ねた。
そんな美奈を僕は抱きしめてこう言った。
達也
「大丈夫だよ…美奈。にぃにが必ず守るから安心しろ」
美奈
「にぃに……」
その時だった。
僕たちが入って来た扉が勢いよく吹き飛んだのだ。
扉があったところから現れたのは関口だった。
関口
「逃げても無駄だよ。二人とも殺してあげるからさ……!!」
そう言うと関口の腕が異様な形へと変わっていった。
腕は刃へと変わり関口はゆっくりと近づいて来た。
ヒビキ
『まさか……あれって…!』
関口
「さぁ…殺してあげるよ!!」
関口が刃を振り下ろそうとしたがそれは出来なかった。
バン! バン! バン!
銃声が鳴り響き関口はその場に倒れ込んだ。
見るとそこには鷹成裕也が立っていた。
達也
「鷹成……?」
裕也
「間に合ったか…大丈夫か?」