「ところで、先ほどのサイレンの事はどうだったのですか?」
私がそう聞くと、高野さんは、渡り廊下での事を詳しく教えてくれた。
「もう私が行った時には、犬の死骸とかは片付けられちゃってたけど、廊下に真っ赤な血のあとが残っててね。それを見ただけでも衝撃的だったよ。見てた中の誰かが、それ見て気絶しちゃったとかもあったらしいし、かなり凄惨な現場だったみたい。」
やはりあの場所には何かがあるのだろうか?昨日の山下さんの一件もあるし、まだ何らかの危険が、あの場所に潜んでいるのかも知れない。
しかしながら、昨日の野球部の件も考えると、渡り廊下だけに危険が潜んでいる訳では無さそうだし、弓道部で去年あった事も、似たケースという出前、それぞれに共通する何かがあると、私は考えているのだが、まだ、今の情報のみでは、なんとも言いがたい所ではある。
「野球部での事もそうですが、そのような出来事は、私が転校してくる前にもあったりはしたのでしょうか?」
私がそう聞くと、高野さんは、しばらく考え込んだあと、記憶をだどりつつ、それぞれの出来事について喋り始めた。
「んー…ええっとね。まず先週だったかな?校定に立ってる電線が切れたってのが、似たような事件で、一番近い記憶かな?あとは…ずーっと前、四月の半ばぐらいに、カズちゃんの時みたく、下校中に数人の服がいきなり切れたって事があったとかだったと思う。今回はちょと、事が頻発しすぎよね。何なのかしら?」