DREAD 『餌』

ミシェル  2009-08-19投稿
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雨が降り注ぐ真夜中。

一人の男が悪魔の追跡から逃れようと必死に走っていた。

そして彼は茂みを掻き分け、車道へと飛び出す。

…その時。

突如とライトが彼の目を直撃した。

「あなたどうしたの?」

目の前で停車した車から、一人の女性が彼に声をかける。

すると彼はすかさず、

「乗せてくれ! 追われてるんだ!」

彼は何度も後ろへ振り返りながら必死に女性に懇願する。

「ふぅ…良いわ。乗って」

彼女は少々呆れた顔を見せると、嫌々彼を助手席に座らせた。

やがて車は、真夜中の林道を再び走る。

「何に追われてたの?」

隣りから彼女が声をかける。

「借金取りだ…」

彼は声を震わせると共に、体も震わせていた。

「馬鹿ね」

彼女はそう言うと、意味ありげな笑みを浮かべた。


車を走らせる事10分。

2人の前に森林に囲まれた一軒の住宅が見えた。

彼女はそのまま車をガレージに停め、2人は家の中へと入っていく。

するとリビングへと来た2人の元へ、二頭の大型犬が駆け寄ってきた。

「うわっ!」

二頭のドーベルマンは、彼を見るなり激しく吠えて威嚇してきた。

あまりの迫力に圧倒され、彼は思わずたじろぐ。

「やっぱりお腹が減っているのね」

彼女は呟くと、そのまま寝室に向かって歩いていった。

すると彼はそんな彼女の後を急いで追うと、

「待て、餌やらないのか? 腹減ってるんだろ?」

彼女は不気味な笑みを浮かべながら彼に振り返る。

「あの子達ちょっと変わっててね。普通の餌は食べないの」

「はっ? 何だって?」

彼は思わず聞き返した。

「あの子達凄くお腹が空いているわ。しばらく餌を与えていなかったから…。でも、良かったわ。あなたが来てくれて」

彼女はそう言って微笑むと、彼に背を向けて再び寝室に向かって歩き出す。

「おい待て! どういう意味だ!」

彼は血相を変えて怒鳴ると、彼女に向かって走り出した。

…しかし。

突如と背中に衝撃が加わり、彼はそのまま床に倒れる。

「ぐぅ…お、おい…嘘だろ…」

彼の目に映ったのは2つの黒い塊…。

やがて血まみれの惨劇が幕を開けた…。



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