男子生徒がどんどん近づいてくる。修介は寝たふりをした。 「君、そろそろ授業始まるよ。」 「………ん?あぁ、いいよ授業サボるから」 修介はバレていないと思いホッとした。 「そっか、授業はなるべくうけたほうがいいよ」 (こいつ、さっきとキャラが違うし…) 修介は心の中でつぶやいた。 男子生徒は教室に戻っていった。 修介は午前中ずっと屋上で過ごした。もう昼食どきだ。朝買ってきたパンを取りにいくために教室に戻った。 「あれ!?修君、学校来てたの?」 由紀が修介に気づき話しかけてきた。 「ずっと屋上にいたし。」 修介は素っ気なく答えた。 「またサボったんだ…。」 由紀はなぜか怒ったように言った。 修介は自分の席につくと、バックの中からパンを取り出し食べ始めた。 パンを口に入れようとしたとき誰かが肩をたたいた。 「おい修介、お前と由紀ちゃんてどういう関係?いつも仲良いよな?」 肩をたたいたのは後ろの席の聖(さとし)だった。 「ただの幼なじみだし、そういう関係とかじゃねぇし。」 「」 「ほんとか?でも由紀ちゃんと幼なじみかぁ〜…うらやましいなぁ…。」 聖はニヤニヤしながら言った。 「何お前、由紀に気があんのか?」 修介はストレートな質問をした。 「いやいや…!違うよ!好きとかじゃなくて…可愛いじゃん!でも、話しかけても『うん』とか『そうなんだ』とかそんなん」 聖は明らかに動揺していた。 それからしばらく2人はしゃべっていた。修介は聖とこんなにしゃべったのは初めてだった。