ときめき 5
「スージー、もう良いだろ!俺、一人で泳いで来るから!」
隆はそう言ってスージーの手を離すと、沖へ向かって泳ぎだした。
5人は、何が有ったのかと“キョトン”としていた。
その時“ピー!ピー!”とホイッスルの音が鳴った。
担任の林が吹いた、ホイッスルだった。
「隆!そこは深いぞ!戻って来い!」
林は、叫びながら砂浜を走り、海へ入って来た。
隆は、我に帰って泳ぐのを止めて、その場に立とうとした。
すると、足が届かずに、海面から隆の頭が消えた。
「あっ!沈んだ!隆〜!」
悲鳴のような声が、辺りから聞こえた。
間もなく、隆は浮かび上がった。
隆は、沈んだ時は驚いたが、慌てずに水をかき、直ぐに浮かび上がった。
そして、何もなかったように、平泳ぎで、波打ち際迄たどり着いた。