「流石は…Answererだ、
あれだけの動きを出来る
とはな。」
「老人達が彼に…るのも
理解出来るよ。」
「それより試作兵器の
テストだ。期待は出来
そうではないかな?」
熱伝導ブレード…残酷
過ぎるな、僕なら良いが
他の人は人殺しなど
したことないだろう。
「いや!放して!」
女の悲鳴?この声は…
あの人か。
「良いじゃないか…殺す
前にちょっとやらせて
もらうだけだ。」
迂闊だった…まさか
部屋にずっと潜んで居た
なんて…それにただ殺さ
れるならまだともかく…
いや!こんな男の慰み物
なんかになりたくない!
誰か助けて!
胸に鋭角的な痛みが
走る、男の手は私の胸を
わしづかみにしてる。
もう…駄目なの…こんな
最期なんて…。…あれ?
痛みが少し…それに靴?
「痛!何しやがる!」
僕は男の顔に跳び蹴りを
していた。身体が勝手に
動いていた。
「…小僧…殺してやる!
覚悟しやがれ!」
男は銃を取り出したが、
その銃はグリップと
トリガーだけになった。
「ひいっ!」
金属が床に転がる、
銃であったものだ。
「失せろ…。」
熱伝導ブレードを男の
目の前に突き付けると
男は逃げて行った。
「大丈夫ですか?
龍堂さん。」
手を差し出し、龍堂が
手を掴むのを待った。
「龍堂さん?」
やはりか、死への恐怖
ではなく女としての恐怖
の方が強いのか。
とはいえ、僕は男だから
気持ちも解らないし、
助けにもなれない。
「…すみません、僕は
行かせてもらいます。」
その場のから逃げ出す
ように行こうとした、
いや…逃げたかった。
「…もう少し一緒に居て
くれないかしら…。」
逃げたい…僅かな葛藤が
生まれる…僕は反対側の
壁に座り込んだ。
「ありがとう、わざわざ
距離まで取ってくれて…
ちょっと怖くて。」
違う…距離を置いたのは
僕自身のためだ…。
「…僕は…本当は…。」
この先は声になるほどの
大きさかはわからない。
「…隣に来てくれない?
隣に…来て欲しいの。」
違う…距離を置いたのは
僕自身の為なんだ!
だから…だから…
「すみません…僕自身が
距離を置きたくて…。」