…僕は…何を言った?
僕自身が距離を
置きたくて…だと…。
本音が出てしまうとは…
弱くなったものだ。
そんな事を考えてた。
龍堂がゆっくりと立ち
上がり、隣に座った。
心臓の打つ脈が大きく
聞こえてくる、自分の。
気が付くと、右手に
ブレードが握られてた。
…僕に…近付くな…。
「…先に進もう、
ここは危険です。」
乱されるな…冷静に…
精神を安定させろ…。
突如アラームがなる。
携帯端末からまた声が
聞こえてきた。
「ただ今より、
キラーマシンを開放
します。戦闘禁止エリア
以外は容赦無く
襲い掛かります。」
…あれを開放するだと?
あんな機械人形を…。
「キラーマシンの位置は
常時マップに表示する
ので、逃げる参考に
してください。」
マップに白い点滅が
移る…近くに一機いる!
「…近くにいる…逃げて
ください!」
僕は龍堂を残し、
機械人形の方に向かう。
ここを右に…居た!
赤い光が見える…鋭く
光る金属の骨格、銃は…
ない…。
機械人形がゆっくりと
近付いてくる。剣は
熱伝導ブレードではない
…なら防げる。
金属のぶつかる音が響き
渡る。予想以上に力が
強く、バランスを崩す。
その後左から強い衝撃が
加わって、壁に打ち
付けられた。
倒れた状態から足払いを
するが、まるで動く気配
がない。
やはり素手では歯が
立たないか。久しぶり
だな…次の瞬間には
死んでいるかもしれない
この感じは…。
それに…この
熱伝導ブレードは試作品
で、長時間の起動には
耐えられないから…。
勝敗は一瞬で決められる
のだろう。