「あっちいな…。」
季節は春。
人間界での生活がスタートする。
「ハーン、人間が今過ごしやすい季節らしいぜ。しかし、俺らにしたら、厄介だよな…。」
一緒に修業をするライアン・シェパードは僕の家の隣に住んでいる。
「あぁ、ほんと厄介だなぁ…。」
照りつく太陽に、今にも溶けそうな体…。人間の生活にも慣れなければいけない。
「魔界ではずっと涼しいから、季節がある人間界は不思議だよな…。」
「ライアン、外でその会話はやめようぜ…変に思われる。」
「あぁそうだな、うっかりしてた…ハーン、名前間違えるなよ…。俺は…。」
「わかってる、ハヤシダマサシだろ。林田正司。お前こそ間違えるなよ。」
「あはは!わかってるさ、大石陽斗くん♪」
鬼獣族の僕と天獣族のライアン(ペガサス)は小さい頃からの親友だ。鬼獣族と天獣族は、みんな助け合って生きている。
龍族を除いては…。
龍族は王に対して反乱を起こし、それ以来みんなから避けられている。今回の修業にたしか、龍族がいるはず…。
「ライアン…。」
「おい!違うだろっ名前!」
「あぁっそっか…ややこしいなホント…正司、今回って、龍族っているよな…。」
「ん?そう言えばいたな、たしか、エリンだっけ?エリン・ギルバード」
エリン…。あいつか…。
小さい頃、何回かケンカしたような…。
「あいつ、こっちの名前何だっけ?」
「なんだよハーン、気になるのか?」
「おい!お前も名前間違えるなよ!」
「ごめん!やっぱややこしいな…。」
人間界はややこしい…。てゆうか、僕達の名前がややこしい…。
「エリンは同じ学校だし、近くに住んでいるはずだぜ…。こっちの名前はヤスダエミだったような…。」
安田絵美…。
「あんま関わらない方がいいぜ…。何考えてるかわかんねぇし…。」
ライアンは昔から龍族が嫌いだった…。
自分の親を龍族に消されたからだ…。
「あぁ…そうだな…。」
僕はそう答え、学校へと向かう。
サクラとゆう花が舞い散る道を歩きながら…。