DRAGON LOVER 2

木村蜜実  2009-08-20投稿
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学校は騒がしい…。

サークル入れだの何だのかんだの…。

「陽斗、何かやるか?」

「どうしようか…、家帰ってもつまんねぇしな…。」

「なぁ、ショーギってなんだ?」

「しんねぇ、そんなの習わなかったよな…。あれは?あにめ研究…?何だあにめって?」

「あにめも習わなかったよな…わかんない事だらけだな…。」

「あぁ…困ったな…。」

…困るのは当然…。

人間界へ行く前に、人間の生活の事や流行りの事を予習しなかったからだ…。

「とりあえず、辞めておこうぜ…。」

僕はライアンの肩を叩き歩き出した。

「まて!ハーン!待てって!!」

グイっと腕を引っ張り、僕を呼び止める。

「おい!また名前…。」

「名前はどうでもいいだろ!あれ見ろ!」

ライアンが指差す方向にエリンがいる…。

「エリンだよな…。」

「あぁ…エリンだ…。」

やっぱいたんだ…。

そう思い、また歩き出す。

「おい…いいのか…。取りあえず挨拶とか…。」

「何だよ挨拶って、お前関わるなって言ったじゃないか…。」

僕はすたすたと歩く。

ライアンはその後ろからついて来る。

「言ったけどよ…。なんか…ほら…寂しそうだったし…。」

ライアンは何言ってるんだ?

「しばらくは放っておく。エリンから話しかけてきたら話せばいいだろ。」

僕はそう言って、ライアンの顔を見た。

「…そうだな、そうしよう。」

ライアンは僕の言葉を素直に受け止め、一緒に歩き出す。

実は僕も、エリンには関わりたくないからだ。

そう、関わりたくない理由ができた…とゆうか、思い出したからだ。

小さい頃、エリンとケンカをして、僕はエリンを傷付けた。

エリンは片方の耳が聞こえない。

小さいとはいえ、僕は『禁断の魔力』を使ったからだ…。

よく覚えてないけど…。

龍族だから、あの程度の怪我で済んだ…。

ケンカの理由も、何故禁断の魔力を使ったのかも、もう忘れてしまったけど…。

エリンに僕は消されるかもしれない…。

そう思ってしまった…。

人間界にいる間は平気だけど…。

なんとなく、そう思った。

ケルベロスの僕より、龍族のエリンの方が強い…。

なんて情けない…。

その時、周りの動きが急に止まる…。

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