家に着くと薬草を取り出し、それを食べる。
万能薬草だから、軽い症状なら病気にもキズにもきく。
「過去になんかあったんだろ…、教えろ。」
ライアンは冷蔵庫から飲み物を出し、僕に渡す。
「あんま覚えてないんだけどな。」
僕はライアンに、昔あった事を話した…。
ライアンは顔をしかめた。
「お前があの『禁断の魔力』を使うくらいだから、よっぽどだったんだろうな…てか、小さい頃にあの魔力を使うなんてすげぇな。」
「教えてもらったばかりでさ…使っちまったよ…。あれほど使うなって言われたのによ…。」
ずずっと飲み物をすすり、二人同時にため息…。
「でもさ、エリンは怒ってないって言ってたよな…。なんか裏があんのか?ハーンの事も好きだって言ってたし…。」
「どうだろうな。」
また二人同時にため息…。
エリンには関わりたくなかったが、そうもいかなくなってきた…。
あいつはまた来る…。
『ピンポーン…。』
ビクッとしてドアの方をみる。
「まさか…エリンか…?」
「まさかぁ…。」
苦笑い…。
「おい…出ろよ…。」
「やだよっお前ん家だろ…ハーンが出ろよ。」
僕は重い腰を上げ、ドアを開ける。
「ハーン!」
(やっぱエリンかっっ!)
僕は抱きつこうとするエリンを思わず避けた。
「何なんだよお前はっ!」
僕は後ずさり…。
「逃げる事ないじゃない!会いにきたのにっ!」
エリンはベッタリと僕の腕に抱き着く。
(勘弁してくれ………。)
それを見るライアン…。
はてながいっぱいって顔をしてる…。
そんな目で見ないでくれよ…。
「あらっライアンもいたの?」
「いちゃ悪いのかよ…。」
「そんな事言ってないわよ。」
エリンは適当に座り僕が飲んでいた飲み物を飲む…。
「てか、何しにきたんだよ!」
僕はエリンが飲んでいる物を奪って怒鳴る。
「怒鳴る事ないじゃない…。会いに来ちゃいけないの?」
悲しそうな顔をする…少し胸がときめいた…。
「そんなことないけど…。」
僕はエリンの目を反らす。
「お前、ホントはなんか企んでるんだろ?一流の龍族が俺ら下級族に近寄るなんて変だろ?」
ライアンはエリンにガンつけながら言う。
「だから…企んでないって!あたしは…ハーンと一緒にいたいの…。」
僕とライアンの頭の中は『?』でいっぱいだ…。