僕はエリンの顔を見て、
「お前は…何いってんだよ…会いたいって…学校行けば会えるだろうが。」
と、僕なりの意見を言ってみる。
その横で、ライアンがうなずく。
「会いたいって意味わかんないの?!あたしはハーンが好きなのよっ!!」
「!!」
びっくり………。
「うそじゃないよな…。」
疑いの眼差しのライアン…。
「嘘ついてどうすんのよ…単細胞…。」
また、龍の目になってるエリン…。
ひっ…火花が…。
エリンもライアンも戦闘体制…。
「おいっ人ん家でやるなよっ!!外出ろよっ!」
僕はライアンとエリンを外へワープさせた…。
僕の部屋が静かになる…。
ふぅ…とため息をつき、床に寝そべる。
『あたしはハーンが好きなのよっ!!』
(何言ってんだよ…。)
僕はそう呟いて、頭を抱える。
………あれ?
どっかで聞いたセリフ。
小さい頃に確か…。
エリンに言われた…。
『大きくなったら結婚してね♪』
ガバッと起き上がる。
あいつ…。
あの事をまだ信じきってるのか…?
『俺がお前に勝ったらいいぜ!』
…………僕か?…………
段々思い出していく度に冷や汗が……。
だから、あん時使ったらいけないって言われた『禁断の魔力』を使ったんだ…。
顔が青ざめた…。
勝ちたかった…。
そうだ…。僕は…。
エリンが好きだったんだ…。
今は…?
今は、なんとなく気まずいだけ…。
好きかわからない……。
はっとした。
(こりゃマズイ!!)
僕はライアン達をワープさせた場所へ向かう。
2人を止めなきゃいけない!!
エリンはライアンを足蹴にしていた。
ライアンはボロボロだ。
(やっぱ怖えよな…龍族って…。)
「エリン、もうよせ…。」
「ハーン!邪魔しないでよ!」
エリンの瞳が涙で溢れてる…。
僕の胸に飛び込み、声を殺して泣いている。
「エリン…、あの時の約束っぽいの覚えてるから、俺の所に来たんだろ?」
泣き止むエリン…。
身体を震えさせ、僕を見る。
その目がまた龍の目に変わる…。
「ぽいって何よ…」
(あぁっ!俺のバカ…!)
「あっ…えぇっと…あれね、あの約束…。忘れてなかったんだな…。」
「忘れないわよ…。」
俯くエリンが、可愛く見えた。
「わかった、付き合うか。」