「おい…いちゃつく前に俺をどうにかしてくれ…。」
ライアンが僕の足を引っ張る。
「あぁ…そうだな、取りあえず家に行くか…。」
天獣族と龍族、この対決を見ればよかった…と少し後悔。
僕の家に行き、ライアンに事情を説明した。
ライアンのキズを手当しながら…。
「要するに、付き合うわけね…。」
ライアンは俯きながら、僕の足を叩く。
「そうゆうことになるな…。」
二人同時にため息…。
「なんで二人でため息つくのよ!」
エリンはふて腐れた顔をしてこっちを見る。
「エリン、今日は帰れ…。明日また会おう。」
僕はエリンの肩を抱いて玄関まで送る。
渋々手を振り帰って行くエリンを確認して、僕は部屋へ戻る。
「いいのか、帰して。」
「平気だろ。」
そしてまたため息…。
思わずあんな事言ってしまったが…。
「お前、龍族と一緒になるには、王に了解をもらわないとダメだぞ…。」
そう、『掟』では、族性が違う者同士の縁は届け出て、王の承諾書をもらわなければならない。
反乱を起こしている龍族との縁は却下されるに違いない…。
「わかってる…。魔界に戻ってからでもいいだろ…。」
「てかさ、なんで龍族は反乱を起こしたんだろうな…?今まではおとなしかったんだろ?」
「さぁな…。わかんね…。」
そしてため息…。
これから、エリンに振り回される毎日がくる…。
僕もライアンも、エリンを怒らせないようにしようと強く誓った…。
1章 終り