ときめき 6
「どうしたんだ隆?」
「……」
「余り勝ってな行動をとると、隆だけ、遊泳禁止にするぞ!」
林にキツく注意され、隆は“ショボン”とした。
「すいません」
まさか“女子の水着に興奮しまして”とは言えず、謝る以外は、黙るしかなかった。
隆は、砂浜に腰を下ろすと、その場に寝転がり、目を閉じた。
すると、同じ班の5人が、隆の周りを囲んだ。
「どうしたんだよ隆!」
勇二が声をかけると、隆は目を開けた。
すると、又3人の女子の水着姿が、目の前に有った。
治まりかけていた、隆の心臓の鼓動が、再び早くなってきた。
隆は、直ぐに視線を反らし、立ち上がった。
「いや、ゴメン。何でもないんだ!ちょっと、一人にしてくないか?」
そう言うと隆は、一人で砂浜を、人気の少ない方へと歩き出した。