恋に落ちた経験が初めての私。
何をするわけでもなく…
本当は何かしたい。
話かけるとか。
挨拶するとか。
でも、何もできずに登校日は終わってしまった。
同じクラスと言う特権も使わずに…。
そして
夏休みは学校へ毎日の部活に励んでいた。
そんなある日、彼が視界に入った。
私の心臓はドキドキを通り過ぎている。
けれど視線は彼から離れない。
彼は私に気付いていない様子だ。
近づいて行って挨拶すればいい。
クラスメートだもの。
普通じゃない?
今までだって挨拶くらいしてたのに…。
急にできなくなってしまった…。
トボトボと下を向いて歩いて彼の横を通り過ぎようとした瞬間。
「おう!」
と彼から声をかけてもらった。
私は慌てパニックになった。
こんな挙動不審はおかしい!
と自分で思いながらも
私は彼から目を離せず…きっと赤面している。
言葉が出ない。
そんな私に彼は
「元気ないの?」
と近づいてきた。
私は体を氷のように固まらせて心は炎のように熱くなって
「そんなことないよ」
と言うのが精一杯。
そして彼が一言。
「俺と付き合わない?」