リレー小説:あまりにも過疎な世界ー3〜夢〜

178cm  2009-08-21投稿
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それは一瞬の出来事であった

望の体は大きな波に飲み込まれ、再び呼吸の出来ない世界へと引きずり込まれてしまう
薄暗く、恐怖しか広がっていない水中で望はもがき苦しんだ


苦しい…



苦しい……!!


もう、さすがに限界であった
体内に、容赦なく大量の海水が入り込んでくる

やがて意識を失い、望はゆっくりと目を閉じた





だが望はある夢を見ていた

必死に母を追いかけている夢だ

遠ざかる母の背中を見つめながら、追いかける
けれど、絶対に追い付けない
どんなに走っても
母の背中は遠ざかって行くばかり

望は泣き崩れ、嘆く

夢はそこで終わる




夢が終わったと同時に望は目を覚ました

目には涙がたまっていた
望は零れ落ちた涙を拭いながら辺りを見渡す



そこは、誰かの家のようであった

暖かい日差しが窓から差し込んでいて、とても気持ちが落ち着いた

しかし、頭痛と吐き気が酷かった
何故だろうか


「………!」

そこでやっと自分の身に何があったのかを思い出した…

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