DRAGON LOVER 11

木村蜜実  2009-08-21投稿
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「いいよ…行かなくて。なんかあったら呼ぶだろ?」

エリンの腕を引っ張り、止める。

「なんで〜いいじゃん!」
頬を膨らませて、ふて腐れる。

「バカ…2人でいたい時だってあるだろ…。」

照れながら僕は言う。

キョトンとした顔でエリンは僕を見る。

「ハーンもあたしと2人がいいの?」

(そんな事聞くな〜!)

と思いながらもうなずいてみた…。
エリンは微笑んで僕の腕に抱き着いた。

「あれ?陽斗くん?」

横を見ると奈々ちゃんがにこやかに会釈をした。
すると、エリンは後ろへ隠れた。

「やぁ…正司に会いにきたの?」

「うん。陽斗くんも?」

「いや、俺ん家隣だから…。」

「そっか、……後ろにいるのは彼女かな?」

奈々ちゃんは後ろを覗く。

「そう。安田絵美さん。同じ大学なんだ。絵美、挨拶しろ。」

そう言うと、エリンは後ろからペコっと頭を下げる。

(なんか言えよ………)

「可愛いね♪」

あははと軽く笑う。

「じゃ、部屋戻るから。またな…。」

「うん♪」

奈々ちゃんはライアンの部屋の呼び鈴を鳴らす。
僕等は部屋のカギを開け部屋に入ろうとした…その時…。

「待って、陽斗くん!」

奈々ちゃんが僕を呼び止めた。

「どうかした?」

「正司くん、いないのかな?出て来ないんだけど…。」

「ケータイは?鳴らしてみた?」

「さっきココ来る前に電話したんだけど、そんときは出たよ。」

(寝てんのかな…?)

そう思い、僕も電話してみるが、出ない…。

「カギあいてない?開けてみよっか?」

僕はそう言ってドアノブを引いた。

そうしたら突然、悪い予感が身体を走る…。

「ハーン!伏せろ!!」

ライアンの声が響きわたる。
僕は体を伏せて何かをかわした。

「大丈夫か?!」
ライアンが駆け寄る。

「大丈夫だけど…なんだよ…今の…。」

ライアンの指差す方向に、王族の戦士が…。

「げっ!グリフォンがなんでいんだよ!!」

僕の頭がパニックになる。まさか、エリンの事がばれたのか…?

「エリン!逃げろ!奈々ちゃん連れて!早くしろっ!」
僕はとっさに思った事を言った。

エリンは慌てて奈々ちゃんの手を引っ張り走り出す。

「観念しろ…お前は王の元へ連れていく…。あの女も一緒に…。」

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