復讐のジャケット?

ミッシェル  2009-08-22投稿
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真夜中の路地裏に、一台の車が停まっていた。

やがてそのドアが開かれると、そこから二人の男が姿を現す。

男達は車のトランクを開け、中から1人の血にまみれた男を引きずり出した。

「無駄死にか」

「馬鹿め」

男達は嘲笑いながら、血まみれの男を石畳へと放り投げた。

「ふぅ〜寒い! 戻ろうぜ」

雪が舞い落ちる中、男達はサッサと車に乗り込んで路地裏から去っていった。

「うぅ…」

どうやら、石畳に転がる血まみれの男はまだ生きているようだ。

だが既に虫の息で、何時死んでもおかしくない状態である。

増してやこの寒さ。

彼が生き延びる事は最早不可能である。

しかしそれでも彼は寒空を見つめながら、ひたすら言葉を発していた。

するとそんな彼の元へ、

「だ、大丈夫かあんた」

虫の息の彼に声をかけたのは、小汚い格好をした男であった。

髪はボサボサで、口の周りには豊富な無精髭が生えている。

そして冬だと言うのに派手に汚れたYシャツ一枚に、ボロボロのジーンズ。

まさに彼は、寒さに震えるホームレスであった。

体をガタガタ震わせながら、彼は男の顔を覗き込む。

「ゆ…る…」

「おい! 何言ってるんだ!」

彼がいくら声をかけても、男は何も答えない。

…そして

「…モ…ガン…がはっ」

男は最後に口から血を吐き出すと、そのまま息を引き取った…。

「し、死んだのか…」

彼はまだ疑う様子で、男の顔を覗き込む。

…その時。

突如倒れている男の体から、発光体のような物が飛び出した。

「何!?」

その発光体は数秒の間宙を浮遊すると、一気に倒れている男に向かって落下した。

その直後、男の着ている革のジャケットが眩く光り出す。

「な、何だ?」

男は驚きながらもその光景を見つめた。

やがて5秒程光り続けた後、その光はゆっくりと消えていく。

「はぁ…一体」

彼は驚愕するが、それよりも強烈な寒さに彼は耐えられなくなってきた。

「寒い…あのジャケットを着れば…」

彼はそう言うと、少し抵抗はあったが、男の着ているジャケットを無理やり脱がした。

そして迷わずそれを着る。

…その時。

彼の体に異変が起きた。

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