「ジョウ。」
「ん?何?トーコねぇ。」
ブリーフィングルームを出た後、咲坂は自室に戻ろうとするジョウを引き止めた。
「あいつからは何が『読』めた?」
「う〜ん・・・だいたい85%が『憎しみ』で、13%くらいが『悲しみ』。あとは・・・」
「あとは?」
「後悔。」
「・・・そうか。」
咲坂はジョウとともに白い通路を歩きだした。
「『憎しみ』が80%を越えるとはな・・・まあ、昨日の今日ことだ。無理もない。」
「そんで?」
「問題は後悔だ。迷いは人を弱くする・・・。」
「う〜ん。確かに。」
ジョウはかしこまって言った。
「バイキングで迷ってたら、美味しいものとられちゃうもんねぇ〜。」
「・・・そうゆう意味で言った訳では無いのだが。」
咲坂は呆れた様に言った。
「まぁ、それはそうと、今頃あいつ『儀式』受けてる頃だよね?だいじょぶかな・・・?」
ジョウは龍一のことを心配した。
「愚問だな。」
咲坂ははっきりと言った。
「間違いなく、大丈夫じゃないに決まっている。」
「だよねぇ・・・。」
無表情で言い放った咲坂に、ジョウは相づちを打った。