達也
(薬……?)
薬って……いったいなんの話をしているんだ?ヒビキは?
僕はヒビキに目をやるとヒビキはまだ真剣な眼差しで関口を見ていた。
ヒビキ
『あの砲撃魔法の属性は…闇。
つまりそれと対になる属性…光の防御魔法を使っただけよ』
関口
「ナゼ……キサマガ…アノ…クスリ…ノ…コトヲ…シッテイル……!」
関口がそうヒビキに問うと少し笑いながら答えた。
ヒビキ
『フフッ……あの薬はね、負を媒体にして作られているから…だから…嫌でもわかるのよ…私には、ね』
そう言うとヒビキは指を鳴らすと関口の足元から鎖が伸び、関口に絡み付いた。
関口
「コ、コレハ……!」
ヒビキ
『捕縛魔法……もう逃げられない』
ヒビキはそのまま次の術の詠唱を始めた。
ヒビキ
『達也、そのまま手を前にかざしていて……』
達也
「う、うん……」
ヒビキ
『光の雷よ……神にあだなす者を滅せよ……ライトニングシャイン!!』
術を唱えると空が明るく光り輝いた。
そして次の瞬間、まばゆいばかりの光の雷が関口を襲った。
関口
「グアァァ−−!!」
数十秒間にわたる雷撃が関口を襲った。
雷撃がおさまると関口はその場に倒れ込んだ。
達也
「死んだの?」
ヒビキ
『多分ね……』
そう言うと僕は向こうで気を失っていたミサキが腕を押さえながら近寄って来た。
どうやら腕に怪我をしたようだ。
ミサキ
「大丈夫ですか!?桐原さん!!』
達也
「うん…大丈夫だよ。ヒビキがいてくれたし……」
ヒビキ
『当たり前よ。ファクターなんだから』
ヒビキはそう言うと達也とユニゾンを解除した。
そんな二人を見ながらミサキは 達也が持っている自分の剣に目をやった。
ミサキ
(!!……なに…あれ……?)
ミサキが見たのは達也の持っている剣から黒いオーラが出ているのに気付いたのだ。
そして一瞬だが剣と重なるように黒い違う剣がぼやけて一瞬だけ見えた気がした。
ミサキ
「あ、あの桐原さん…その剣……」
達也
「ん?……ああ、ありがとうミサキさん。助かったよ」
ミサキ
「い、いえ……」
達也は剣をミサキに渡すと美奈の方へと向かって行った。