ときめき 8
3時を回った頃、林のホイッスルが鳴った。
一度、民宿へ戻って、着替えてから、リクレーショの予定であった。
民宿へ戻る途中、1班の6人は、言葉少なだった。
特に隆は、女子とは離れて歩いた。
スージーは“隆が変なのは、自分のせい”と思い込み、寂しそうな顔をしていた。
ひとみは、気掛かりではあったが、どうする事も出来ずにいた。
島田勇二が、隆の横に並び、話し掛けた。
「隆!お前、スージーに惚れただろう?」
「えっ?そんな事、ないさ!」
隆は、顔を赤くして、勇二の口を、手でふさいだ。
勇二は、隆の手をどけ、続けた。
「当たりの様だな!お前、スージーと向い合わせで、手を引いている時から、変だったもな!」
「誰にも言うなよ!」
「分かってるって。安心しろ。でも、このまま黙っていたら、余計に変だぞ!」
「分かってるけど、あいつ等と話をすると、心臓が爆つくんだよ!」
「この後、砂浜でドッチボールだから、汗をかいたら、何とかなるさ!」
「そうなら良いけど」