女性と二人だけで会うなんて何年ぶりだろう。元彼女と別れてから十八年が経っていた。元彼女とは酷い別れ方をしていたこともあって、なかなか次の恋に踏みきれないでいる。
そんな感慨にふけっていると、メール着信音に設定していた『Whatever』のメロディで我に返った。エリカは近くまで来ているらしい。
それらしい服装の女性が大きく手を振っている。
一瞬我が目を疑った。
その女性は元彼女に似ていたのだ。いや、十八年前に別れた彼女の顔なんて憶えているわけはなかった。
その女性、つまりエリカに元彼女の面影を見てしまったのだ。