「・・・痛っ・・・」
李那は目を開けた。啓吾はすでに、立ち上がって李那を見下ろしていた。
「御前、何してんだよ」
「あっ・・・、ゴメンナサイ・・・」
李那は下を向いた。啓吾は、李那を睨みつけている。そこに、怜達が来た。
「アイツは?」
怜は、息を切らしながら言う。
「見逃した」
と、啓吾は小さい声で言う。怜の隣にいた凛は、李那の様子がおかしいことに気づいた。
「李那・・・、どーしたの?」
凛は、李那の顔を覗き込んで言う。李那は、泣いていた。
「啓吾。泣かせた・・・」
「泣かせたんだ・・・」
「泣かせた・・・」
と、凛が言うと怜と由宇が啓吾を睨みつけながら言う。
「俺のせい・・・?」
啓吾は、小さい声で言う。李那は、目を手でこすりながら言った。
「違います。私が悪いんです」
と、李那は小さな声で言った。