夜、健也が突然話した。
「オレは、薬の会話を聞いた後、駆け足で戻って、みんなに事情を説明したろ?あっ。陽太にはしてないけど。」
健也が話しても誰も黙ったままだ。相当緊迫した空気だ。
するとテントから龍吾が出てきた。
みんなが息を呑む。
僕に一歩一歩と近づいていく。
みんなはその光景を見守る。
龍吾は
「気付いてやれず、ごめんなさい。」
僕は下を向く。
「オレ、ついみーくんがドラッグやってるのかと思って殴った。だけど、テントの中でみーくんの薬の真実聞いて、どうしてオレは助けてあげることもできなかったのかなって思った。みーくん、ごめん…。」
「……。」
僕は無言のまま。
「オレ…やっぱ…みーくんと友達で良かったと思ってる。だから、もう1度やり直そう。」
ようやく僕が重い口を開いた。
「それで何ですか?…っていうことは、4月から僕を試してたってこと?」
「いや…そういうわけじゃ…」
龍吾は必死に否定する。
「僕は、申し訳ないけど龍吾を信じられなくなった。」
「……。」
「僕は、前から龍吾みたいな友達とたくさん遊んだ。でも僕の病気のことを知ったら、みんな友達じゃなくなって、僕から離れていった。そして…」
〜おい!こいつ覚せい剤持ってる!〜
〜うわぁーじゃあ危ない人だ〜
〜こいつと友達になると、病気になる〜
「龍吾…」
微かな声に龍吾は反応する。
「あんたも、同じなんだね。そうやって…僕を裏切るんだね」
「みーくんオレは!」
でも僕は龍吾の声に反応せず、テントに入った。
龍吾はその場で泣き崩れた。
絶交。
龍吾は反省の顔から、みるみる怒りの顔へと変わっていった。
みーくん
オレは
友達を裏切る人じゃねぇ。
オレは
友達を信じる。
だから
健也。
お前を許さねえ。