葬式の日から三日が過ぎたが、未だに学校に行く気力が出なかった。私のことを心配しているのか、それとも私のことを恨んでいるのかわからないが、友達からは一通もメールが来なかった。
『少し散歩してくる』私はお母さんにそう言うと外に出た。
時計を見ると十九時を過ぎていた。
特に意識はしていなかった。しかし、気がつくとあの公園にいた。
『俊介…ごめんね』私は桜の木に向かって言った。
桜の木は静かにたっている。
『楓、何でここにいるんだよ?』千秋が後ろから声をかけてきた。
『何でって…何となくだよ。てか、何で千秋がいるの』
私は急に声をかけられたので驚いた。
『家近くだし、今暑いから公園で飯食べようと思ったんだよ』
よく見れば左手に買い物袋を持っている。
『そうなんだ…』
それからしばらく沈黙が続いた。千秋は俊介がいなくなって私と同じくらい悲しい思いをしているはずだと思い、私は謝罪の言葉を考えた。
『思ったより元気そうだな』千秋が沈黙を切り裂いた。
『千秋が思っているほど…元気じゃないよ』
『まあ、俺は楓じゃないからな』千秋はからかうように言った。
少しいつもの千秋とは違う感じがした…。