庭で穴を掘っていると、地面の中に何かが埋められているのを見つけた。
それはボロボロに錆びたクッキーの缶だった。中には人形や、おもちゃの宝石や、日記帳や、カセットテープが入っていた。日記帳には少しだけ面影のある筆跡で、どこにでもいる少女のどこにでもあるような日常が綴られていた。
カセットテープを再生してみた。少しだけ面影のある声が語り始めた。
「このタイムカプセルを開けるとき、私はいくつになっていますか? お嫁さんになるという夢が叶ってるといいと思います。
将来このテープを一緒に聞く人が、素敵な男の人だといいと思います。その人とおばあちゃんになるまで、幸せに過ごしていたいです」
僕は殺した妻を埋めることを思いとどまり、警察に自首した。