色あせない桜?

陣内  2006-07-27投稿
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『千秋…ごめんね…』

この言葉しか頭に浮かばなかった。

『…早く学校に来いよ』千秋がゆっくりとした声で言った。

『……………』

『家にずっといたって悲しみが募るだけだと思うけどな』

『千秋は…悲しくないの?』私は少し泣きながら言った。

『……………』

千秋は黙ってしまった。

『悲しいんでしょ?どうして強がっているの?』

『…当たり前だろ』

『え?』

『涙なんか見せたら…あいつ、もっと悲しくなるだろ!』千秋の声が少し震えていた。

私はこの言葉で涙が溢れ出してしまった。

『わ、私は…千秋みたいに…そんな…に器用じゃないよ…』

『俺だって器用じゃねぇよ。だけど…仲間だからこそ、必死に歯食いしばって頑張っているんだろ』

『千秋…』

『仲間が突然いなくなって悲しくない奴なんて…いないだろ』

千秋はしばらく黙ってしまった。

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