「遅くなりました! 大統領、幸せ測定装置が完成しました! これを使えばその人がどれだけ幸せか一瞬にしてわかるんです」
「ほほぉ、早速測ってみることにしよう」
二人の幸せ指数を測ってみると、大統領は80で博士は20でした。
「せっかく完成したのに喜こんでおらんな?」
「この発明のおかげで家計が厳しくなりまして……」
「そうか、国防省には内緒でワシのポケットマネーから褒美をやろう」
大統領が博士に金を渡すと、幸せ指数は変動し、大統領は40博士は60になりました。
「これは大発見です。他人が不幸になると、それだけ自分が幸せになるようです!」
「自分が幸せになるとそれだけ他人が不幸になるんだな……」
博士は大喜びでしたが、大統領は気落ちして愚痴を漏らしました。
「しかし残念だ。もう少し早くこの装置を開発しておれば、ワシは発射ボタンを押さなかったのじゃが……」
核の炎で更地になった某国の様子をモニターで眺めながら大統領は嘆くのでした。