謎の代理人

陣内  2006-07-27投稿
閲覧数[1296] 良い投票[0] 悪い投票[0]

小学生の頃、修学旅行でホテルに泊まったときの話です。



『週間ストーリーランド中止みたいだね』

『はぁ?今週も野球かよ』

『だったらデジモンカードやる?』

『いや、ポケモンカードだろ』

俺たちはそんな会話を三十分間続けた。そして、結局寝ることにした。

『テレビから何か出てきたら助けろよ』

電気を消してからも下らない話で盛り上がり、誰も眠る気配がなかった。

そして、みんな眠くなってきた頃、急にドアの向こうから足音が聞こえてきた。

その足音は確実にこちらに向かって来ているように思えた。

『先生じゃね?』

先生が、俺たち生徒がきちんと寝ているかを確認する、みたいな話をしていたのを思い出した。

『絶対そうだ!みんな、寝たふりをするぞ』

俺たちはいびきや寝言を言ったりして眠っている演技をした。

そして、俺たちの部屋の前で足音が止まった。しかし、一向にドアを開ける気配がない。他の部屋に入るような音もしない。鍵を持っているはずなのに…。それから足音は聞こえなくなった。


次の日、先生に見回りのことを聞くと、昨日はビールを飲み過ぎて爆睡していたみたいだった。見回りはしなかったらしい…

【完】

i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 陣内 」さんの小説

もっと見る

ホラーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ