家に戻ると、みんなへたりこんだ。
ばあさんのペンドラゴンの姿…。今思い出すと恐ろしくなる。
「知ってたのか?ばあさんがペンドラゴンて…。」
「知らなかった…。」
エリンは身震いしている…。あの姿はホントに恐ろしい…。
「さて…その娘の記憶を消さねばな…。」
「ばあさん!その前に…。ペンドラゴンってなんだよ!」
ライアンはばあさんに問い質す。
ばあさんは、ペンドラゴンの事、龍族の反乱、ライアンの親の事を話した。そして、エリンの事も…。
「エリン…お前が真のペンドラゴンになるには…、わしの体が消える時じゃ…。」
「えっ…。」
「その時になったら、全てを話そう…。もうその子が目を覚ましてしまう…。記憶を消さねば…。」
ばあさんは奈々ちゃんの額に手を当て、呪文を唱える。
「ばあさん…。俺の存在も忘れるのか?」
ライアンは不安げに見つめて呟いた。
「大丈夫…わしら魔界の事を忘れてもらうだけじゃ…。おぬし達の人間の姿は忘れない。」
「ありがとう、ばあさん。」
ライアンはホッとして僕を見た。
僕も笑い返す。
「さぁ、これで大丈夫じゃ…。もう人間界へ戻れ。」
ばあさんは椅子に腰を掛け少し疲れた様子を見せた。
「大丈夫?お祖母様…。」
エリンはばあさんに掛けより抱き着いた。
「大丈夫だよ…さぁ行きなさい。」
「…うん。」
死神のマントに包まれ、僕達の家へ戻る。
「ありがとな死神!」
僕は死神にお礼を言う。
「ハーン、エリン、ライアン…ペンドラゴンの事は時期が来たら必ず話す。その時はシヴァ様が消える前と思ってもらいたい…。王に正体を明かしたから、王族がシヴァ様を捕らえに来るかもしれない。その時は頼むよ。」
いつになく、真剣な顔をして話す死神に、僕等は決心をしてうなずいた。
「じゃ…またな…。」
そう言って死神は去った。
しばらくして奈々ちゃんも目覚め、また元の生活に戻る。
2章 終り