『京谷サンが、どうしても連れて来たいヤツってのは、森宮 ヒロキだと思うゼ。』
アヤカさんへ向けて発せられた、聖人の言葉から、
これからココで、何かが始まるのだというコトだけは、あたしにも想像出来た。
『フフフ。さすが聖人ね。正解よ。
龍二は、バイクで隣町のK中まで向かったわ。
森宮 ヒロキを迎えにね。』
トップでまとめられた、明るいベージュ色の長い髪に、ハッキリした目鼻立ちの彼女は、
まさしく洋風美人といったカンジだった。
『控え室には、ミズホと森宮のオヤジ、2人きりなんだろ?!
そろそろ俺達も行こうゼ。』
う゛ぅ‥‥‥。
アヤカさんの言う“例のオッサン”て、
“森宮の父親”のコトだったんだ‥‥。
それに、
“ミズホ”って、
番組内の相談者のミズホちゃんのコト???
今の聖人の口振りだと、
元々知ってるヒトを呼ぶ様な感覚だった。
‥‥ってコトは、あたしも知ってる、大好きな先輩の、ミズホさんのコトなのかな?!
ま‥まさかよね?!
更に疑問なコトと言えば、
どうして聖人と、このディスクジョッキーのアヤカさんてヒトが知り合いなワケ?!
“魔羅威夜”の京谷さんとは、どうつながっているの?!
もうっっ‥‥全くワケ分かんないよっっ!!
ガタンッッ―ー‐
『よォ!!待たせたな!!
本日のスペシャルゲストは、ココにもいるゼ!!』
ひ‥ひゃあっっ!!
声のする方を見て驚いた。
そこには、
森宮 ヒロキの襟元を鷲掴みにして、
“魔羅威夜”の京谷 龍二が立っていたんだ。