あれは夏のじめじめした夜のことだった。
外は雨が降っていて部屋の湿度も高く、汗で体中がべっとりとしていた。
私はなかなか眠ることができなくてしょうがなくテレビを見ることにした。時間はもう夜中2時半。この時間帯でやってる番組といったら大抵通販番組だ。案の定どのチャンネルも通販番組をやっていた。
私はつまらないと思いながらも無理して眠るよりだったらテレビで時間を潰していた方がその内眠くなるだろうと思い、しぶしぶテレビを見ることにした。
数分後、携帯から着信がなった。私は着信の音量を高めに設定していたし、時間帯も時間帯なので少し焦った。
「一体誰だよこんな時間に」
知らない番号からだ。
私は、知らない番号からの電話は全てシカトする主義なので無視することにした。
1分後に着信が止まった。
意外と長く着信が鳴っていたので、もしかして知り合いだったのかな?と思った。
するとまた着信が大音量で鳴った。また同じ番号からだ。やっぱり知り合いからなのかなと思い、電話に出る事にした。
「ザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」